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債権法 保証契約、公正証書
保証に関する改正についてです。企業活動で、金融機関などから融資を受ける場合には主たる債務者である法人の他に代表者やその親族などが保証人になることが多くなっています。ただ、連帯保証人になることは過大な負担を背負うこととなり、保証人が会社の危機と一緒に破産を余儀なくされることは珍しくありません。
そこで、保証に関しては一定の規制がされており、現行の民法でも、保証契約は書面で行わなければならないものとされていました。
今回の改正では、保証人保護が図られています。押さえておきたいポイントは、事業のために負担する借入に対する保証契約を締結する際には、契約をする前1ヶ月以内に公証役場に出向き、公正証書でその意思を確認することが必要になったことです。
これは保証人になろうとする人に、熟慮する機会を与えようという趣旨に基づきます。ただ、これから借入をしようとする立場からすると、保証人の確保は困難を増すものとなるでしょう。
なお、一定の立場の人が保証人になる場合には公正証書の作成をしなくても良いとされ、具体的には次のような立場の人が保証人になる場合です。
➀主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役、執行役又はこれらに準ずる者 ➁主たる債務者が法人である場合の、総株主の議決権の過半数を有する者など ➂主たる債務者が個人である場合に共同して事業を行う者又は主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者
注意しなければならないのは、配偶者が保証人になる場合です。配偶者が事業に従事しているときには公正証書は不要ですが、従事していないときには公正証書が必要であることです。この点については、どのような場合に事業に従事しているといえるかという事実認定が問題となるでしょう。
なお、この要件を満たさない場合、例えば会社の代表者の親や兄弟に保証人になってもらう場合は公正証書が必要になります。
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