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更正の請求の特則 申告期限から5年以内の分割
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更正の請求の特則 申告期限から5年以内の分割


父は平成28年2月に死亡しました。相続人は母と私と弟の3人です。父の遺産は生前母と居住していた建物とその敷地、株式、預貯金です。相続の申告期限までに遺産分割のすべてがまとまらず、家庭裁判所に遺産分割について審判を申し立て、相続税の申告は未分割として提出し相続税額を納付しました。なお、同時に分割後に母の「配偶者の税額軽減」の適用を受けたいと思い、申告期限後3年以内の分割見込書を提出しました。
そして、父の死亡から2年経過後の4月に家庭裁判所で調停が成立しましたので、調停調書が家庭裁判所から送付されました。そこで配偶者の税額軽減を適用したいので更正の請求をしようとしましたが、多忙な日常生活がありそのことに気が付いたのはその年の10月初めでした。この場合どうなるのでしょうか
 
相続税の更正の請求については、国税通則法第23条の規定による一般的な更正の請求のほか、相続税法32条第1項の規定による相続税固有の後発的事由による更正の請求の特則があります。
配偶者の税額軽減は、配偶者の課税価格について算出された相続税額から控除することになっているので、申告書の提出期限までに、相続又は遺贈により取得した財産の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によつてまだ分割されていない場合における規定の適用については、その分割されていない財産は、課税価格の計算の基礎とされる財産に含まれないものとされています。
 
そのため、その後、その分割されていない財産が相続税の申告書の提出期限から3年以内(※やむを得ない事情がある場合には更に申請することにより延長されます)に分割された場合には、その分割された財産は配偶者の税額軽減の適用を受けることができます。
相続税法32条1号(更正の請求の特則)は、更正の請求の期限につき、同法55条(未分割遺産に対する課税)により相続税が計算されていた場合において、その後財産の分割が行われ、配偶者が分割により同条による相続税額と異なることとなったことにより、その申告に係る相続税額が過大となったときは、その事由が生じたことを知った日の翌日から4月以内に限り、更正の請求をすることができると規定しています。
 
なお、通則法第23条1項においては、申告期限から5年以内に限り更正の請求をすることができると規定しています。そのことから、相続税法の特則による更正の請求の期限(その事由が生じたことを知った日の翌日から4月以内)が、通則法第23条の一般的な更正の請求の期限より先になる場合があります。
この場合、相続税法による更正の請求は通則法の一般的な更正の請求の特則規定であることから、相続税法の更正の請求の期限が先に到来すれば、通則法の更正の請求はもはや適用の余地がないのではないかという疑問が生じますが、通則法の一般的な更正の請求の規定を設けられている趣旨から適当ではありません。
よって、この場合の更正の請求の期限は、分割が行われた日から4か月を経過する日と相続税の申告書の提出期限から5年を経過する日とのいずれか遅い日となります。(相続税基本通達32-2)
 
※ 分割されないことにつき家庭裁判所に遺産分割の請求(民法907条2項)をしていること等
 

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