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小規模宅地等の特例_代償分割をした場合
父が昨年12月に死亡しました。相続人は兄と私の2人です。父の遺産は父が亡くなるまで住んでいた自宅建物とその敷地200㎡と現金・預金の1,000万円です。遺産分割協議の結果、父の居住用家屋と敷地は、社宅暮らしの兄家族が相続し住むことになりました。
この土地と建物の相続税評価額はそれぞれ4,000万円と1,200万円ですが、分割協議の際、この土地・建物の通常の取引価額が5,600万円であることから、その半額の2,800万円を兄から代償金として支払いを受けることとし、現金・預金については、2分の1づつとしました。
ところが、兄が相続した父の居住用家屋の敷地が小規模宅地等の特例の適用が受けることができることが分かりました。そこで、私が兄から支払を受けた代償金については相続税が課税されるとのことですが、課税対象金額はいくらになるのでしょうか、また、小規模宅地等の特例の適用を受けた場合の課税価格はどうなるのでしょうか
あなたが取得した代償金については、2,800万円全額ではなく、代償分割の対象となった土地・建物の相続税評価額とその通常の取引価額との差額の相当する金額を調整して求めた2,600万円が課税対象となり、この金額に現金・預金の500万円を加算した金額3,100万円が、相続税の課税対象となります。
※代償金の調整計算
2,800万円x5,200万円(相続税評価額)/5,600万円(通常の取引価額)=2,600万円
原則的な計算によると、今回の場合、あなたの相続税の課税価格は、500万円(現金・預金)+2,800万円(代償金の額)=3,300万円 そして、兄は5,200万円(土地・建物の相続税評価額)+500万円(現金・預金)-2,800万円(代償金の額)=2,900万円となります。この計算では、遺産分割において共同相続人が平等に財産を取得することとなるように代償金の額が算定されたにもかかわらず、各々の課税価格に差額が生じ、相続税額も異なります。
そこで、課税実務上、代償分割の対象となった不動産の通常の取引価額と相続税評価額の差額を上記のように調整計算する取扱いがあります。故にあなたは3,100万円、兄は5,200万円+500万円-2,600万円(調整計算後の代償金の額)=3,100万円となります。
そして、兄は小規模宅地等の特例の適用が受けることができるということですので、土地の相続税評価額から80%減額されますので、結果1,200万円(家屋の相続税評価額)+4,000万円X0.2+500万円-2,600万円<0万円となりますが、兄は相続税の課税価格が算出されないとしても、小規模宅地等の特例の適用が受けるためには相続税の申告が必要であり、また兄がこの特例を適用したとしても、あなたの課税価格の計算に影響は及びません。
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